澄翔個展「夢の途中」 vol.7
今回は「紙」だけに書くのではなく、
布やガラスなどの異素材にも書を取り入れてみました。
ガラスと書のコラボレーションは初めてでしたが、
おもしろいものが出来上がったと思います。

これも不思議な縁。
関西方面に住んでいる私のブログを見てくださった方から
ブログの感想をいただきました。
その方が、埼玉の私の自宅近くに住んでいらしたガラス作家さんを
紹介してくださったのです。
その後、実際にお会いすることになり、
同年代ということもあって意気投合。
これらの作品は、ガラス作家さんと共同制作しました。
手作り感を引き立たせた、タンブラー・ぐい呑み・角皿です。
グラス: 海・星・楽
緑皿 : 花・華・彩
青皿 : 風・空・雲
白皿 : 桜・和・想
GLASS WORLS / 湊 久仁子
書 / 矢部 澄翔

『雨ニモマケズ』
個展直前、この紙を提供してくださったO:g[オーグ]の
春日夫妻とご縁がありました。
春日夫妻のネパール和紙への愛情は、
私の書への想いと合い重なるものがありました。
中でもこの紙に出逢った時、
インスピレーションで思い出したのがこの詩。
ライスペーパー(ネパール和紙)にシルバーで書いています。
紙提供/ O:g[オーグ]ライスペーパープロダクト
宮沢賢治『雨ニモマケズ』より

『響』
高校時代、吹奏楽部に所属し、
「マーチングバンド」をやっていました。
みんなで曲を奏でる楽しさ、
1つの作品を共同で作り上げる苦労、
魅せる喜び。
あの時に流した、汗と涙は私にとって“青春”そのものでした。
10年以上の時を経て・・・
しばらく連絡をとっていなかった同級生や先輩と再会し、
久しぶりにみんなで演奏会に顔を出すことになりました。
そこに見たのは、昔の自分の影。
高校3年生の冬まで部活を引退しないで
恋愛も勉強も大学受験もそっちのけで
ひたすら「全国大会出場」を夢見て頑張った。
努力もむなしく夢は破れ、
悔し涙で幕を閉じた部活動漬けの高校時代。
それも今ではよい思い出になっている。
この時、一緒に汗や涙を流した仲間は一生の友達になった。
本気でぶつかりあい、ともに戦った仲間だから。
一生懸命に何かに打ち込むことの意味を知ったのは、
数年後のことです。
改めて現役高校生の演奏を聴いて思った。
「完璧な演奏」だから感動するわけではない。
その演奏をするまでのストーリーがあるから。
「心に響く演奏」を聴きたい。
書も然り。
その夜、無性にその想いを筆とともに奏でたくなった、
「響」・・・。

『弾』
色つきの加工紙に書いてみました。
ちょっとした緊張感が味わえる。
もっともっと書きたくなった。
だんだん解放されてゆく。
書き始めたら、止められない。
大きく、小さく、太く、細く・・・
でも結局、最初に書いた「弾」が一番いい。
だって一番心が弾んでいたから^^
でもね、
今ここに飾られている瞬間も、
結構うれしいかもしれない。

ここにいると、日が暮れるのがあっという間。
「時間」に追われる・・・
ということを忘れさせてくれる。
日が暮れてくると、同じ作品なのに
また少し違った表情を魅せてくれるから不思議だ。
大好きな書に囲まれて時を過ごせる幸せ。
お願い。
もうすこしだけ、感じさせて・・・。
投稿者 女流書道家 矢部 澄翔