2007年 第27回日本教育書道藝術院 同人展

第27回日本教育書道藝術院同人書作展(後援 東京新聞)に出品いたしました。

国立新美術館


同人展200701

紙サイズ : 235×53(cm)×12連幅
  筆   : 羊毛長峰 


【出 典】
 『聚星堂雪 并引』 蘇東坡


同人展200702


【大 意】

元祐6年11月1日、雨を帳龍公に雨乞いさせたところ、少し雪が降った。 そこで、聚星堂で客人と酒宴を催すことにした。すると、ふと、かつて欧陽修先生がここの知事となられたころ、雪の降る日、集まった人々にありふれた形容のことばを使ってはいけない、という条件をつけて詩を作らせ、ご自身は難題にもかかわらず特に綺麗な詩をお作りになったことを思い出した。 それから四十余年、誰もその後を継いだ者はいない。 私は古い門人なので、当地に来て先生の後を継ぐことにした。私は先生に追いつくこともできないが、お集まりの客人は、先生の当時の方々にもひけをとらない方たちである。ちょうど先生の2人のご子息もこの地におられる。そこで、住時の禁令を示して、雪の詩をおのおの一篇ずつ作ってもらうことにした。

窓辺にかすかに音がし、枯れ葉も音をたてている。龍神さまが試しにと初雪を降らせた。最初は大空と一体となって雪が降っているのかどうかよくわからなかったが、しだいにしなを作って斜めに飛ぶと、興趣があふれてきた。多くの客人が立って舞うさまは、風に吹かれて乱れる竹のようであり、老いた太守が真っ先に酔いつぶれるさまは、霜に折れる松のようである。斜めの梅の枝ががぐわしく香る中を、緑の袖をひるがえして舞う美人のいないことが恨めしく、ただ微かなあかりが消えようとしてはまたともるだけである。
居間に帰ってみると、うれしいことに夜明けの太鼓の鳴るまでにはまだ長い時間が残っており、朝は、呼び鈴のひもが引かれる前に起き出した。
長い夜の宴会で着物がしわくちゃになっていたが、いっこうに気にならない。それよりも朝日で眼がチカチカする。罰杯を浮かべ、昨夜のなごりの興趣を追い求めようとすると、幸い、つむじ風がおこって、粉雪を舞い上がらせてくれる。檜の梢にぼーっと見える雪はしばらくは残っていようが、あちらこちらと瓦と瓦の間の溝にまだらに積もったものは、ちらりと見ただけでとけてしまった。
ここ汝南は、逸話が残るほど古から賢人の多く出たところ。だが、酔翁先生の詩にまつわる話は一体誰が引き継ぐのだろうか。当時の禁令を良く聴いて、肝に銘じておきなさい。素手で戦うのであって一寸の刃物でも持ってはいけないのだ、と。


参考文献:蘇東坡100選 NHK出版


同人展200703
雅印は、この作品の為に篆刻家の先生に彫っていただき、
書をいっそう引き立ててくださいました。
ありがとうございました。

おかげさまで特別賞を受賞し、依嘱へ推挙していただきました。
先生方の指導のおかげとここに感謝し、厚く御礼申し上げます。

投稿者  女流書道家 矢部 澄翔