2004年 第26回東京書作展 

▼2004年11月17日の東京新聞に矢部澄翔の作品が掲載されました。
  ※以下、東京新聞より一部抜粋。 2004年11月17日の東京新聞に作品が掲載されました 
 全国的な書の公募展「第26回東京書作展」(東京新聞主催、文化庁後援)の入賞と入選が決まった。伝統文化、芸術である書道の研鑽と進歩の場「東京書作展」は、今年26回目を迎え、多数の応募、秀作を得た。  新人書家の発掘と育成に加え、流派にとらわれない「公平な審査」のため最終審査は公開で行われる。こうした姿勢は着実に根付き継承されていると確信する。  今回の作品は、「漢字・篆刻(てんこく)・刻字」「仮名」「現代漢字かなまじり文」「少字数」の四部門で、応募点数は委嘱の部213点、一般の部3251点の合計3464点となった。このうち一般の部では、969点が入賞、入選作品となり、最高賞の内閣総理大臣は漢字作品となった。・・・以下略。
★選考経過★  
部門別審査の第1次、2次審査によって、一般の部応募作品3251点のうち969作品が入選、その中より獲得点数順に上位118点が第3次審査に進出した。さらに第3次審査で上位13点に絞られ、このあと公開討論による第4次審査が行われた。  最終審査会場に展示された13点の中から、審査員より最高賞候補に数点が挙がり約2時間におよぶ白熱した討論の結果、審査員より多数の賛同と支持を得て、内閣総理大臣賞・東京書作展大賞に本山鈴翠氏の漢字作品が決定した。次いで古賀桂華氏の漢字作品が文部科学大臣奨励賞・東京書作展準大賞に、そして加藤公孫氏の漢字作品が東京都知事賞に輝いた。  このあと第3次審査の得点に基づいて東京新聞賞10点続く50点が特選に決定し、審査を終えた。


現代漢字かなまじり文部門 「東京新聞賞」受賞作品


第26回東京書作展(2004.11)現代漢字かなまじり文部門 「東京新聞賞」 「寂 寥」   島崎藤村

岸の柳は低くして
羊の群れの絵にまがひ
野薔薇の幹は埋もれて
流るる砂に跡もなし
蓼科山の山なみの
麓をめぐる河水や
魚住む淵に沈みては
鴨の頭の深緑
花咲く岩にせかれては
天の鼓の楽の音
さても皆瀬はくちなはの
かうべをあげて奔るごと
白波高くわだつみに
流れて下る千曲川



薔薇の花をちりばめた様子のモダンな現代文。
ゆとりの空間に時に楽しく、時にもの哀しく魅せる文字群は、作者の心のシルエット、花束。
(評 : 内野七色)
※2004.11.17 東京新聞より抜粋







漢字・篆刻・刻字部門 「特選」受賞作品


第26回東京書作展(2004.11)漢字・篆刻・刻字部門 「特選」「大寒歩至東坡贈巣三」   蘇東坡

春雨(しゅんう)暗塵(あんじん)の如く
春風人を吹倒す
東坡数間の屋、巣子(そうし)誰と與(とも)に隣る
空牀(くうしょう)破絮(はいじょ)を斂(おさ)め
破竈(はそう)生薪(せいしん)鬱(うつ)たり
相対して寒を言わず
哀しい哉我が貧を知ればなり
我に一瓢(いちびょう)の酒あり
獨飲(しょくいん)するは良(まこと)に不仁(ふじん)
未だ我が頬を赬(あか)うする能(あた)はず
聊(いささ)か復た子が唇を濡(うる)ほさん
故人千鐘(せんしょう)の祿(ろく)
馭吏(ぎょり)醉(よ)うて茵(いん)に吐く
那(な)んぞ知らん我と子と
坐して寒螿(かんしょう)の呻(しん)を作(な)す
努力して天を怨む莫(な)し
我爾(なんじ)皆天民
行きて看ん花柳(かりゅう)の動くを
共に享(う)けん無邊の春を








投稿者  女流書道家 矢部 澄翔