スペイン公演 〜展示実演〜

JAPAN WEEK2006 サラマンカ 展示実演

スペインにて開催されたJAPAN WEEK2006にて展示実演を行いました。

会場は、サラマンカ市国際展示場。
旧市街の中心に位置し、1992年にサラマンカ市の文化財に指定されている多目的ホールで開催されました。

当日は書道の他にも、日本を代表する伝統文化の数々の展示とともに、現地からの展示もありました。

ちなみに、JAPAN WEEKのポスターの真ん中の書、
「出逢いに感謝」が採用されました^^

JAPAN WEEK2006 サラマンカ 展示実演

テープカットが行われ、会場が10時にオープン。
はじめの30分位は大使館の方々などが見学にお見えになり、その後一般のお客様がたくさん見学にいらっしゃいました。


JAPAN WEEK2006 サラマンカ 展示実演

現地の方々に書道を体験していただこうと、半紙を1箱(1000枚)日本から持って行きました。
“筆”で「文字」を書くという文化は、ヨーロッパではありません。
しいて言えば、絵でしょうか。

硬筆(ペン)になれてしまうと、こしのない柔らかい毛筆(筆)で書くのはとても難しいことだと思いました。
ましてやアルファベットではなく、現地の人にとっては見慣れない漢字ですから・・・。


JAPAN WEEK2006 サラマンカ 展示実演

とにかく、言葉が全く通じない。
スペイン語は、発音は比較的しやすいのですが、単語の意味すらわからない。
そのような中で、伝えたいのに伝えられないもどかしさが辛かった。

日本の文化に触れてほしい・・・。

という想いは現地の学生も一緒でした。
サラマンカ大学に語学留学をしている日本人の大学生が、ボランティアで通訳をしてくれたのです。

海外に出て改めて日本の伝統文化のすばらしさを実感できたイベントでした。


JAPAN WEEK2006 サラマンカ 展示実演

日本語を知らない現地の方にとって漢字はどう見えたのでしょうか?
私は半紙に、漢字1文字とその漢字の意味をスペイン語で一枚一枚見本を書いておきました。
すると、好きな言葉をそれぞれ選びはじめ、書き方を教えると夢中に書いていました。

新鮮だったのは、その書き方!

私たちにとって、「漢字の書き順」というのは幼少からの教育で自然と身についていますが、漢字を知らない人にとって、どこから書いたらよいか全くわからないわけです。
ですから、思いもよらないところから書き始め、二度書き三度書きは当たりまえ、絵を描くように文字を書いていました。

そして、この笑顔!

とても楽しんでくれました。


JAPAN WEEK2006 サラマンカ 展示実演

現地の子供達もたくさん見学に来ていました。
そこで、現地の子供達にも体験していただこうと一緒に手をもって書いたり、名前を日本語で書いてあげました。

すると数分後・・・


JAPAN WEEK2006 サラマンカ 展示実演

子供達が殺到!!!

「私も書きたい!」 ではなく、(^^;)

「私の名前を書いて!!」 

と、自分の名前を私の前で叫び始め・・・(汗)気がつくと長蛇の列!!
水を飲む暇もないほどブースの周りに人の山、山、山・・・。
子供から大人まで、たくさんの人が来てくれました。
結局、4時間で300人くらいの名前は書いてあげたと思います。

カタカナで、ひらがなで、そして名前を漢字にして(当て字で)。
特に漢字は大人の人にウケがよかったです。

自分の名前を書いて満足すると、今度はプレゼントしたいからと、家族や恋人の名前のリクエストを受けました。
中には、「額に入れて飾ります」・・・といってくださった方も。
うれしい・・・!!

名前を墨で書いただけでこんなに喜ばれることは日本では考えられませんが、海外の人にとって「日本語」とくに「漢字」は人気があるのかなぁと実感したヒトコマでした。

【裏話】
サラマンカ大学の現地大学生は、日本のことをよく学んでいました。

“秋葉オタク” 

と、書いてほしいとリクエストを受けたときには・・・
みんなで大爆笑でした(^^;)

投稿者  女流書道家 矢部 澄翔