はじめに・・・。

私が書道を通じてあなたに伝えたいこと

・美しい字が書けるようになる。
・級や段が取得できる・・・。

確かにこれらもそうなのですが、
本当に伝えたいことは他にあるのです。


書道教室を始めて気がついたことがあります。
「自分の字が下手だ・・・」
と思って書道を学ばれる方が非常に多く、そして
そういった方のほぼ100%が、全く下手ではないということに。

全く問題ない字が書けているのにもかかわらず、自分の字にコンプレックスを抱き、
自信を持てない人がたくさんいらっしゃる・・・
そんな印象を受けるのです。

確かに、書道を習って字を綺麗に書けるようにしたい。
そのお気持ちはわかりますし、とても素敵な向上心だと思います。

でも同時に、とても残念な想いも感じるのです。
というのも、20年の書道とのふれあいを通じて、ある気付きがあったからです。

それは、あるコンクールで賞を頂いた時のことです・・・。

書における本当に大切なこととは・・・

私は、どちらかというと負けず嫌いな方で、いつも
「良い字を書けば、観た人に感動していただける。」
という気持ちを胸に、書を書いていました。

でもその時は気分を変えようと、賞よりも、今この瞬間に
書という世界で自分が表現できる全てを出し切ろうというテーマで
作品を創り上げたのです。

元の作品を何十回も読み込んで、
そこに書かれている情景を目の前にありありと浮かべ、
そのイメージを私が持てる技術と気持ちの全てを出し切って
紙の上に表現しました。

その結果、最優秀賞をいただくことができたのですが、
嬉しかったのは賞そのものよりも、ある審査員の方に
「私の作品への評価が“全員一致”だった」
とおっしゃっていただけたことでした。

審査員の方々は、それぞれ違った個性・センスをお持ちの方々です。
ですからある審査員の方が評価してくださっても、別の方にとっては評価の
対象外になるということはよくあることなのです。

しかし今回は、私が墨と筆にこめた想いを、
そしてそれが紙に表現された世界を、審査員の方全てが受け止めてくださり、
そして応えてくださったのです。

その時に気付いたのです。

良い字を書いたという、その結果よりも、それ以上に
「書いている過程を大切にする」ことが最も相手に感動していただけるのだ、と。

「技術云々以上に、自分自身を表現する」ことが
最も大切なことなんだと改めて気付くことができた経験です。

心に残った言葉

話は変わりますが、テレビ番組の「笑っていいとも!」の中のコーナーの一つに
「達筆王」というものがありまして、現在書籍化されているのですが、
この本の中でタモリさんがとても深く心に残るお言葉を寄せられています。

「書には心が表れる」

・・・そうなのです。
自分の気持ち、想いを、人にダイレクトに伝えることができると同時に、
筆順をたどってゆくと、書いた人の息遣いや心の変化が伝わってきます。
もっと大げさに言えば、
筆者の想い、書いた人の生き方、人生がダイレクトに表れる・・・
私にはそう感じられるのです。


楽しい事があった日に書いた字は、
ウキウキした心躍るような字になっていませんか?

怒られたり辛いことがあった時に書いた字は、
弱々しい字だったりしていませんか?

履歴書や大事な書類の署名には、
緊張感を持ちながら丁寧に心を込めて書きませんか?


もちろん基礎の技術が不要とは思いません。
それはそれで、とても大切なものです。
でも、それだけではない、もっと大切な何かが、
書には存在する、私にはそう感じられるのです。

あなたの字は、あなた自身

書かれた字の上手下手は二の次です。
字は努力して練習すれば、必ず上達します。

それよりも、

「書には心、すなわちその人自身が現れる」

ということに気付いていただき、
それを大切にしていただきたいのです。

あなたの字は、あなた自身の「魅力」であり「個性」でもあるのです。
あなた自身の魅力に気付いていただきたい。
そして、「書く」ということをもっと楽しんでいただきたい。

そうすれば、必然的に「良い書」は生まれ出でる
そう私は思っています。

眞墨書道教室の一般の部では、この想いを基礎として、
生徒さんに書に触れていただき、「書くこと」の楽しさ、
そしてご自身の新たな一面や可能性に気付いていただくことをモットーに
講義に努めさせていただいています。

「書を書くことで見つけられる“新しいあなた”」

・・・を探してみませんか?

眞墨書道教室主宰 矢部澄翔


投稿者  女流書道家 矢部 澄翔