児童の部 〜指導方針〜

児童の部は、5歳〜中学生までのお子様が対象です。

眞墨書道教室の「児童の部」では、

1)基本を徹底して習得すること
2)競争心とともに、向上心を芽生えさせること
3)個々の才能を引き出し、実力を伸ばすこと
4)表現力を伸ばし、お子様の感性をより豊かにすること
5)一人ひとりを大切に、全員に目が届く指導

これらをコンセプトに、日々お稽古に取り組んでいます。

1)基本を徹底して習得すること

眞墨書道教室では、お子様の手を取って基礎から丁寧に指導いたします。 小〜中学生が抑えておくべき「書道の基本」は、

・筆遣い(トメ・ハネ・ハライなど)
・漢字の筆順
・字形の取り方 etc・・・

他にも沢山ありますが、まずはこれらを徹底して習得していただきます。
そのために眞墨書道教室では、「お手本」は教材のコピーを使用しておりません。

定例課題小学生用お手本 講師矢部澄翔が「直筆」のお手本を、心を込めて書いて一人一人にお渡ししています。
更に、お子様の目の前で課題のポイントを詳しく説明しながら、毎月デモンストレーションをしております。

書道は手先だけで書けるものではありません。
心を落ち着かせ、姿勢を正してはじめて筆をとることができます。

筆先だけで書くのではなく、イメージを膨らませ、
「リズム」や「呼吸」、「間」を感じながら体全体で書いてこそ
良い作品が書けるのです。

これらは「お手本」を見ただけでは、なかなかわかりません。
目でみるのではなく、肌で感じて欲しい。
ですから、その「書き方」の全てを直接お見せしています。

それはなぜかというと、「先生の書いている姿、筆遣いを見る」ことと
「お手本を見て書く」ことを繰り返すと、
美しい字のイメージが記憶されるのと同時に、
「ただ見るだけ」が「じっくり観る」に少しずつ変わっていくからです。

この「観る力」がつくと、どんな筆遣いをしているか・リズム・呼吸等が
お手本から読み取れるようになります。

こういった基本は「創作」をする上でも非常に重要になってきますので
繰り返し練習して身につけていただいております。

2)競争心とともに、向上心を芽生えさせること

眞墨書道教室では「毛筆」と「硬筆」の段・級を取得することを目的に、
文部科学省の指導要領に沿った月刊のテキストを使用し、課題(半紙・硬筆)
の提出を毎月義務付けています。

日本教育書道藝術院 教育書藝 テキスト1
段級システム

学年によりスタートする級が異なりますが、まずは

「2年間で1級取得」

を目指します。

少子化が進み、競争するという機会が減っていますがお友達と刺激をしあい、いい意味で競争心を持っていただければと思います。

しかし、段・級は、お友達と比較するためのものではなく、あくまでも「自己の成長の目安」として活用していただき、まずは1級を目指して向上心をもって取り組んでいただきたいと思います。

日本教育書道藝術院 教育書藝 テキスト2


このテキストはお手本の他に、毎月優秀作品の写真が掲載されます。

眞墨書道教室の生徒さんも、何度か掲載されましたが、お子様はもとより、親御さんも毎回非常に喜んでくださり、とても励みにしていただいております。




3)個々の才能を引き出し、実力を伸ばすこと

私は、お子様の才能を最大限に引き出したいと考えております。
そのため、一人一人にあわせた個別カリキュラムを組んでおります。

その日の出来事により気持ちに大きくムラが出来る子もいます。
また、個々のレベルも様々ですので(2)の課題を横一線に行うだけでは
ある子にとっては物足りなく感じてしまったり、
また、ある子にとってはそこまで追い着けない場合もあります。

ですから、個々の調子や進路状況により個々にあった課題を
臨機応変に与えることで、生徒さんひとりひとりに合った指導を実現しています。

また、眞墨書道教室では特に「条幅」(※じょうふく:大きいサイズの紙)
に力を入れて練習しています。

眞墨書道教室 条幅お稽古 条幅は子供の体よりも大きな紙に、半紙用の筆の3倍位の大きな筆を使って床に紙を広げて書きます。

体全体を使って書きますので、慣れるまでの間は、当然疲れますしとても大変な作業になります。

やってみる前は、通常の半紙よりもかなり難しく感じ「できるかな・・・」と不安になったりするお子さんも実際にいます。

しかし、あえて難易度の高い条幅に入会翌月から積極的に取り組ませているのは、条幅が 書けるようになってくると、上達のスピードが加速し、通常の半紙が非常に楽に書けるようになるからです。

半紙だけに取り組むよりも、条幅を取り入れた方が、文字の配置バランスの感覚、筆遣いなども養われ、 いち早くレベルアップできます。

実際に数ヶ月条幅の練習をしていきますと、ほとんどの生徒さんが何の抵抗もなく楽しく書けるようになっています。

また、半紙よりも条幅の方がより高度なため、作品を書き上げた際に「できた!」という「達成感」や「自信」を感じられ、モチベーションもより高まるようです。
中には、伸び伸びと思い切り書けるので半紙より面白い、
というお子様もいらっしゃいます。

眞墨書道教室 自由創作:条幅ただし、大きい紙を使いますので、部屋の広さ等に制約がでてしまい、どこの書道教室でもできるわけではありません。実際にお稽古は半紙のみという教室も少なくないようです。

当教室は、いつでも条幅の練習が出来るよう、教室の床一面にじゅうたんや畳ではなくフエルトの「下敷き」を敷き詰めております。
またテーブルと椅子ですと条幅を練習できる場所を削ってしまうため、すぐ対応できますように座卓に正座で練習するようにしています。

条幅を書くには絶好の条件がそろっています。

「当たり前の環境」を作ることにより、当たり前に書けるようになる。

お子様の可能性を、最大限に引き出す環境を作ることが
講師の役目だと思っております。

4)表現力を伸ばし、お子様の感性をより豊かにすること

2004年川越今福郵便局にて 児童暑中見舞い作品展 お子様の「感性」をより豊かにし、「表現力」を身につけると、
書をより楽しむことができます。

例えば、年賀状や暑中見舞いレッスン、書初め練習のお稽古で制作したものを集めて「作品発表会」をしたり、テーマを設けて自由に発想したものを書く「創作稽古」等は、ワイワイ楽しみながら取り組んでいます。

眞墨書道教室 団扇レッスン好きな言葉を自由に表現できるのが書道の面白さだと思っています。また、書道は、その時その時の「心」が字となり表現されるのです。

毎年冬に取り組んでいることの1つとして、東京新聞後援の「書初め展」への出品があります。

書初め展は「受賞」という「目標を持つことの大切さ」と「締め切りまで全力で頑張る」
ということを実感していただきたく、全員参加で1ヶ月以上かけて全力で練習していきますが、結果よりも「その過程」を大事に思っています。

しかし、その「過程」は、少なからず「結果」として帰ってくるのだと感じました。

2006年書初め展覧会 まだ書道を習い始めて半年しか経っていない、眞墨書道教室最年少の5歳の幼稚園の女の子が、 初出品にして3000点以上もの出品数の中から「東京新聞賞」をいただいてしまったのです。
TOP10に入る好成績。東京新聞賞は、東京新聞の方が直接作品を見て、選出する賞なのです。

その生徒さんは、他の誰よりもたくさん、何十枚と練習しました。ちょうど筆と墨を使って書くのに慣れてきた頃で、“ぬ”がなかなか思うように書けなくて、苦しみながらも楽しそうに練習していたのを思い出します。

審査員の先生から「なぜ彼女の作品が選ばれたのか」聞く機会がありました。

「いぬ」・・・平仮名で二文字、2006年干支の「いぬ」を書きました。

「他にも上手に書けている子はたくさんいたけれど、この“いぬ”には
“かわいさ”があった。
5歳らしい元気いっぱいの“いぬ”。この作品は言葉から連想して
書かれているのが垣間見えた。
上手な字もいいけれど、作品から“何かを感じた書”を推薦した。」

ということだったのです。
幼いなりに等身大で精一杯書いた“いぬ”から、きっと「楽しい・・・!」という気持ちが半紙いっぱいににじみ出ていたのでしょうね・・・。

「書道は芸術」です。

私は、創作稽古や作品発表会の場から「自由に書く楽しさ」や「喜び」を
体験していただきたいと切に願っています。

5)一人ひとりを大切に、全員に目が届く指導

眞墨書道教室では、1クラス12人の少人数制をとっています。

眞墨書道教室 お稽古風景・全員に目が行き届く指導をすること、
・条幅をのびのびと書ける広さに制限があること、
・個々の実力に沿ったカリキュラムを組んでいること。


上記の記事を読んでいただければわかるように、お稽古内容が濃いため、
一度に指導できる人数は12人が最適なのです。

人数が少なすぎても切磋琢磨できる友人ができにくいですし、
競争心もなかなか生まれません。
かといって人数が多すぎると、目が行き届かなくなってしまいます。

これらのことを踏まえ、1クラス12人の個別指導をとらせて頂いています。

ひとりでも多くのお子さんに、書の楽しさを感じていただけるよう、
日々取り組んでおります。

投稿者  女流書道家 矢部 澄翔