アメリカ・チャリティー公演〜Santa Fe JIN・MATURI〜

2011年4月2日に開催された、アメリカのニューメキシコ州 にある
サンタフェという町で開催されたイベント「サンタフェJIN」に
出演してまいりました。サンタフェは、ニューヨーク・サンフランシスコ
に続いて3番目に芸術が盛んな町です。

当初このイベント、「サンタフェJIN」への出演は、日本の文化を
紹介するという文化交流を目的に考えていましたが、出発直前に
東日本大震災が発生しました。地震の直後から、何か自分に出来ないか
考えていたのですが、節電ももちろんしましたが、私が今できることは、
アーティストとして日本を元気にすることではないかと考えるようになり、
少しでも被災された方のためになれば、、、と売上を全て寄付することに決め、
急遽チャリティー公演として渡航することにしました。
ステージの上から、少しでも日本にエールを送れれば、、、と思ったんです。

サンタフェJINは、NPOでメンバー全員がボランティアで全ての事をしていて、
祭りスタッフのメンバーは、現地在住の日本人や留学生、アメリカ人の方々が
一致団結して運営されています。今回は地震のこともあり、
イベントは中止かな、、、と思いましたが、日本のためと、イベントは
実行されることになりました。

今回共演させていただいたのは、

お琴奏者 松山夕貴子さん
(2010年のグラミー賞受賞)
和太鼓奏者 中村浩二さん
(2008年のグラミー賞受賞)

一流の方々とご一緒できる機会をいただきました。
今回のお祭りのメインゲストは、なんと私達のステージ!!
会場は満席で立ち見の方もものすごい人数でした。


パフォーマンスで書いた作品はこの3つ。

「祈」
PRAY FOR JAPAN

「感謝」
生きている。それだけで奇跡...
今回の地震で、外国からも沢山の支援を受け、特にアメリカからも
多大な援助をしていただいてます。アメリカの地でチャリティー公演を
するにあたり、アメリカの方々への感謝の気持ち、そして、今自分が
生きていることは当たり前ではないのかもしれないと、感謝を選びました。

「希望」
We will never give up
そして、もしかしたら何十年も復興にかかってしまうかもしれませんが、
勤勉な日本人は必ず復興できると信じ、希望を忘れないであきらめないで
頑張っていきたいという願いを込めました。


パフォーマンスステージのMCトークで日本の状況について少しコメント
させていただきました。ステージの最後では最高のスタンディング
オベーションをいただき、ほんと嬉しかったです。
目に涙をうかべながら観てくれた日本人、アメリカ人の方がたくさんいました。
司会の方も、お琴の松山さんもパフォーマンス中、ウルウルされていて・・・
中には始まりとともに号泣されていた方もいたようで・・・
私も思わず、感極まって言葉につまりそうになりました。会場いっぱいの
大きな拍手は、被災にあわれた日本人へのエールだと感じました。 


書道パフォーマンスを2006年にはじめて行ってから、気がつけばもう
100回以上のステージをこなし、述べ10万人以上の方に書道パフォーマンス
を披露してきました。私のステージに感動してくれたお客さんはたくさん
いましたが、涙を流して感動してくれた人がたくさんいた、というステージは
滅多にありませんでした。そういう意味でも今回は私にとっても意味のある
特別なステージになりました。

当日は、ステージで書いた作品とその他の作品数点を欲しいと
言ってくださった方がいたので売り上げることができました。
またサイン会の実施により少し収益がでましたので、
これらあわせて約5000ドル(約40万円くらいでしょうか)の収益を全て
東日本大震災で被災された方々の復興に役立てていただくため、
半分を日本赤十字社へ、残り半分をふるさと納税制度を利用して宮城県へ
寄付させていただきました。

芸能人やスポーツ選手などに比べたら本当に微々たる額かもしれませんが・・・
今、私が出来る精一杯の成果です。もちろん、サンタフェJIN全体でも
日本のためにかなりの収益が寄付されると聞きました。
現地では「JAPAN AID OF SANTA FE」というNPO団体を立ち上げられ、
日本のために継続的に募金活動をすることになったようです。
この義援金が被災地の方々のところに少しでも早く届き、
有意義に活用されることを切に願います。

現地でショッピングしていたら、日本のための募金箱が設置されている
お店があったり、スタバに入ったらレジのお兄さんが、「どこから来たの?」
と聞かれて「日本」と答えたら、「地震大丈夫?」と、心配してくれました。
イベント中でも、そういう気遣いをしてくれた
アメリカ人がたくさんいてとても嬉しく思いました。

いつも海外で活動をする度に感じますが、芸術は言葉が通じなくても
国境を越えて伝えることができるのだと感じます。
日本が大好きな外国人が沢山いてくれる、ということを実感します。

これからも書道を通じて、勇気や感動をたくさんの方々に伝えていきたい!!
と、心から強く思いました。

投稿者  女流書道家 矢部 澄翔