九成宮醴泉銘

九成宮醴泉銘は、632年唐の太宗皇帝が避暑のため離宮に行った際、清泉が湧き出たのを記念し、また太宗は国をよく治めたとも言われ、徳を讃えた記念碑です。
文章は魏徴、欧陽詢76歳の書です。

九成宮1
バスは街をぬけると山にさしかかりました。
余りにもひどい道にバスの揺れはピークにアップダウン、みんなでダイエットマシーン、ロディオボーイみたいだね、なんて笑いながら耐えに耐えました(笑)
好きではないと行く気になれないこの山道。

途中、山には穴がたくさんあいていました。昔人が住んでいたそうです。
このあたりは石灰も採れるようです。
舗装されていない山道をトロトロと1、2、3時間?予想以上に遠かったように思います。観光客がこんな山奥まで来ることはめったにないとのこと。
確かに・・・納得の山道です。


九成宮2
まずは、すぐ近くにある九成宮賓館で昼食です。
中国のお料理は日本の中華料理とは全く違う味です。
とくに田舎料理は匂いも味も見た目も・・・(汗)
一癖ありましたが、慣れてしまえば大丈夫!!
お蕎麦も出ましたが味がない・・・。
常に昼から青島ビールで乾杯の毎日です^^;


九成宮3
ようやく到着!
・・・え?ここ??離宮というので豪華なイメージをしていましたが・・・


九成宮4.jpg
中に入ると、小さい建物の中に九成宮醴泉銘の碑はしっかり立てられていました。
昔は毎日のように拓本を取りに人が訪れたということです。


九成宮5
九成宮の拓本を取るために車のない時代にこの山道を登ってきたのかと思うと九成宮のすごさを思い知ります。
西安の碑林博物館に収めれば、きっとたくさんの人の目にふれることができたでしょうが、醴泉が湧き出たこの地にあることに意味があるのでしょうね。

■九成宮醴泉銘
上部に「九成宮醴泉銘」2行6字
石碑は、毎行49字、24行、全1109字。


九成宮6
現在は、石碑は拓本のような凛とした姿は跡形もなく、磨耗してしまっていてガラスケースに収められていました。
よく見ると石碑に落書きもあったり・・・。
それでも、本物を見る、ということは何物にも変えられないくらい貴重な経験をさせていただきました。

欧陽詢76歳にしてこの揺るぎのない気力溢れた楷書。
凄みを感じずにはいられませんでした。
来てよかった!

投稿者  女流書道家 矢部 澄翔